100歳まで生きる時代を迎ました。政府は、そのための政策を打ち出し、国民に元気に活躍して欲しいと願いつつ、医療費の支出削減を目指し、そこで、平均寿命に健康寿命を近づけるべく、策をめぐらせています。
東京オリンピック・パラリンピックのレガシーは、一に健康寿命の延伸と共生社会の構築であります。先進国家として、他国のモデルになる社会を作り、人類社会初の長寿健康の国民の住む日本にする必要があります。
「スポーツ基本法」が制定され、「する」「みる」「ささえる」を三本柱とするスポーツ社会を建設し、健康寿命の延伸の糧とすべき時代に突入しています。『健康』が重要なキーワードとなり、長寿高齢化時代の到来に対応すべく、全国に体育学部、スポーツ科学部等や、同様の学科およびコースを設置する大学が飛躍的に増加しました。
そこで、各大学が連携をとり、情報を交換したり、共同研究をしたり、相互の協力が求められるようになりました。一般社団法人全国体育スポーツ系大学協議会は、かかる分野の発展を促進させる目的をもって結成され、主要な52大学が加盟する団体です。
独自のスポーツ・トレーナー資格を加盟大学の学生に授与し、また、大学スポーツ協会について研究するにとどまらず、その先導的役割をはたす組織でもあり、今後さらにスポーツ界発展、スポーツ文化の振興、健康寿命の延伸・研究等に貢献できるよう多彩なプログラムを準備中です。
各大学がそれぞれの特徴ある研究・教育に取り組まれ、体育・スポーツ分野の進化にともなって互いに刺激を受けながら、組織力を背景に文科省やスポーツ庁と共同歩調をとりつつ、有為な人材育成のために協力する団体となっています。
加盟する各大学の問題点や特色は、どの大学にとっても参考になります。横断的なつながりをさらに強化して、加盟していない大学にもぜひ、加盟していただきたいと願っております。学生たちの利益のために多様なプログラムを提供させていただき、魅力的な組織にしたいと努力中です。
コロナ禍で大学教育も困難な状態に追い込まれました。各大学が情報を交換したり、工夫したりして学生のためになる方法が求められています。本協議会は、相互理解を深め、わが国の身体文化を支えて参ります。
一般社団法人 全国体育スポーツ系大学協議会 会長 松浪健四郎